念願の"萬堂滝"と"曳滝"に到達

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十津川村上湯川の"萬堂滝""曳滝"に、

Mさんと二人で行ってきました。


"萬堂滝(ばんどうたき)"、"引滝(ひきたき)"は、

昭和初期発行の『上湯川郷土誌』に、

それぞれ掲載されています。


『十津川郷村誌』には、

「北又川ハ、北方高乙山ノ山脈ナル烏帽(子)岩ノ

南陽ヨリ発シ、(中略)、

萬堂滝ヲ落チ南流シテ字北又口ニ至テ 

八重佐川ニ入ル(…後略)」


「八重佐川ハ、西南冷水峠山ノ西陰ニ発シ、

曳滝ヲ落チテ下津又渓ヲ合セ西シテ北又川ヲ合ワム、

環流シ紀伊ニ入リテ日高川トナル(…後略)」


又、別項には、萬堂滝についての記述もあります。


「萬堂滝ハ、高サ一丈九尺、幅二尺、高乙山ノ山脈ナル

烏帽子岩ノ南下ヨリ発スル北又川ノ上流、

即チ本村ノ西方ニアリ、数十町ヲ隔テ々水落ノ声聞ユ、

是恰モ雷声ノ如シ、

人之レヲ聞ケバ且ツハ驚キ且ツハ懼ル、実ニ淋然タリ」

 

そして『上湯川郷村誌』(上湯川小学校編)には、

二滝を以下のように記しています。


「"幡動滝(番堂滝)" 北股谷引牛たわの下にある滝で、

高さ約四丈余ある」

「"引滝" 八重佐川の上流にある滝で、

後述の引牛の伝説にからむ滝である。高さは約三丈余」

…と。

幡動滝は約四丈余、引滝は約三丈余、

それぞれの高さは7.2メートル、5.4メートルほどになります。

しかしながら、『十津川郷村誌』、『上湯川郷土誌』の

文脈からは、滝の形状、位置等が特定できません。

唯一、山と高原地図の『奥高野』(廃版)には、

バンドウ滝についての滝マークがあるものの、

ピンポイントでの訪滝は難しいだろうという、

ジレンマに訪滝を半ば、諦めていたところ…。


昨年11月に、FB友のN氏によるばんどう滝の投稿、

上湯川在住のT氏からは引滝の位置についての

有力な情報を頂き、

今回、それぞれの滝の探索が実現しました。

 

『十津川郷村誌』に記された北又川と八重佐川を

じゃぶじゃぶしながら谷を遡上、滝前へ。


萬堂滝は、高さ5メートル程度とはいえ、

滝壺は吸い込まれそうな真っ青な水で満たされており、

どこから滝を撮っても画になる空間です。


そして曳滝、こちらも高さ6メートル足らずながら、

優美な三段滝で、谷間に響く轟音、

両岸からの大岩壁は壮観の一言に尽きます。

 

夏、真っ盛りとはいえ、

今日は一日、

涼を感じながら滝の絶景も楽しめた

滝三昧になりました。

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【滝位置図】

f:id:hikojima:20200822102604j:plain【滝位置図】

バンドウ滝の位置図(『奥高野』の滝の位置図は違っていました)

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【北又谷】

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【萬堂滝】

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【曳滝に到達】

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