高野町筒香の"滝さん"(小石谷の滝)へ

長~い、長~い梅雨が終わったと思ったら、

今度は、暑~い夏…の到来。

こんな時には水が恋しく…、ということで、

今回、玉川峡での"甌穴探し"と前回の

百間滝探索に続いての又、またの滝探索です。

午前中、玉川峡のやどり温泉近くで、

"ジャブジャブ"と

谷歩きをしながらの甌穴探し、

その後、午後には、

高野町筒香"滝さん"と呼ばれる

石谷の滝探索に行ってきました。

"滝さん"は、以前、筒香在住のSさんから

滝の情報を頂いており、

今回の滝探索の実現となりました。

 

地元の方々が親しみを持って"滝さん"と

呼ぶのは、小石谷に懸かる滝で、

Sさんの話しでは、昔、滝前で祭りがあり、

餅まきが行われていたとのことでした。

しかし最近では、滝へ行くことも無くなり、

"滝の様子も変わっている?。

一度、確認しておきますね"という、嬉しい返事。

 

ということで、今回あらためてSさんとお会いし、

Mさんと二人で、

石谷の滝探索に出かけてきました。

 

まずは、Sさんに教えた頂いた"滝さん"への入口、

高野谷林道入口近くの路肩に車を駐車。


丹生川に注いでいる高野谷と小石谷は、

いずれも「チョロチョロ…」。

期待薄そう…と、内心思いながら…。 

高野谷林道から左手の山道へ。

やがて、かつての祠跡と思われる小屋跡と

石組跡があり、更に奥に進みます。

しばらくして目の前に立派な滝が姿を現しました。


"滝さん"(小石谷の滝)で呼ばれる滝で

間違いなさそうです。


高さ20メートル以上はあるだろうか、

落ち口から折れ曲がって流れ落ちる様は

壮観です。

岩陰にイワタバコの花が咲いており、

たっぷりとマイナスイオンを満喫しました。  

【滝の位置図】

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【小石谷の滝の位置図】f:id:hikojima:20200807153235j:plain

【玉川峡の甌穴探し】

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【御手洗の滝】

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【"滝さん"への入口(高野谷林道)】

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【祠があったと思われるところ】

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【"滝さん"(小石谷の滝)】

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【追伸】

高野領筒香三ヶ村立合際目朱印和絵図(享保14年(1729年)より

高野町筒香荘の古地図には、"たき(滝)のくび(頸)"と書かれたところがある。

ここが"滝さん"(小石谷の滝)だろうか。 

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【"ミソ石"】

石谷の入口近くに「玉川四十八石」のひとつ、

別名"ミソ石"、

俗に"禊石"とも呼ばれる大岩の"大原石"がある。

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百間山渓谷の百間滝へのリベンジ

以前から気になっていた百間滝へのリベンジです。


紀伊風土記』の「雨乞瀧」の項に、

百間滝について、次のような記述があります。


「村の良二十余町にあり、伊屋谷川の流、

懸りて瀧をなす。

高さ五間許。

瀧の上流下流に深淵多く 其中に釜といふ淵、

殊に魄(たましい)を奪ふ。

又是瀧より、一里許(ほど)上流に百間瀧あり、

高さ五十間許(ばかり)

大雨の後は壮観なり平常は水なしといふ」

"伊屋谷川の流"は、熊野川と書いて"いやがわ"、

いわゆる現在の百間山渓谷のことです。

そして、"高さ五十間許、大雨の後は壮観なり"

という記述が気になり、

7月の梅雨のまっただ中に出かけたものの、

谷の増水で、

途中であっけなく撤退という結末。

 

そこで今回は、梅雨明け狙いです。

もちろん、Fさんのお誘いもあってのことです…。

当然、百間滝への到達と写真撮影が主たる目的です。

ということで、やや曇り空にも期待して…、

Fさんと百間山渓谷へ。

写真撮影には、最適の晴れたり曇ったり、

そして谷の水量も…ほどほどに…、

まずは期待通りといったところでしょうか。

犬落ちの滝前で昼食をとった後、

いよいよ百間滝に向けてアタック。


落ち葉で埋まりつつある、

薄い踏み跡をたどっていくと、忽然と!、

百間滝が姿を現しました。

紀伊風土記』に記述されている

高さ90メートルには、到底及ばないものの、

渓谷内では最大級と思える、

上段:10m、中段:8m、下段:12mほどの三段滝に

迎えられました。

下段の滝落ち口へ。

ここから見上げる岩壁から水が滑り落ちる様は、

高さ以上の威圧感を感じるほどです。

百間山渓谷の名に冠された百間滝というのも、

何だかうなずけるような気がしました。


しかしながら、ここで、ちょっとした疑問が…。

国土地理院に記載されている地形図には、

滝記号が2ヶ所あり、私たちが到達した滝は、

下側の滝ということになり、

その上に、もうひとつ滝が記されています。

とはいえ、これより上流へは、

遡るのは難しそうです。

紀州の滝』では、この滝を百間滝としています…。


そこで、もうひとつ『三川村郷土誌(昭和四年発行)』

から百間滝の項を抜粋してみましょう。

(三川村は、かつての大塔村、現在の田辺市です)


「熊野谷を遡ること二里百間山にあり、

瀧は四段になりて落ち高さ百三四十間許、

山の八合目辺より高く、

素練を引いて数十間を落下し、

斜面を走つて次の瀧となり更に斜面を屈曲して

第三の瀧をなし、三度斜面を走つて最下の瀧となる。

麗美観言ふべからず・唯だ其の境、

僻遠にして来り観ること容易ならず、

村民と雖(いえども)多く来る者なし」


こちらの百間滝は、実に"百三四十間許…"、

なんと150メートルほど、

また「山の八合目辺より…次の滝となり…

第三の瀧をなし…最下の瀧となる」は、

かなり意味深の記述です。

いわゆる四段滝、そして滝の高さは、

優に百間を超えるということになります。

いずれにしても、

紀伊風土記』では百間滝の高さを

"五十間許"とし、

『三川郷土誌』では、

"百三四十間"としています。

ということは、地形図にある2ヶ所の滝記号を

合わせた滝名が百間滝ということだろうか?。

もしくは、国土地理院の間違い?。

疑問点ばかりに突き当たってしまいます…。

 

ちなみに、このブログを書き終えたのち、

ネット検索で、

非常に興味深いホームページ記事を発見しました。

記事のタイルは『真の百間滝を探せ!』(平成22年)です。

私同様に、百間滝に興味を持たれて、

いろいろと探索、調査しています。

百間滝の探索については、

こちらが詳しく解説されています。

是非、一読してみて下さい。

【位置図】

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GPS軌跡】

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【詳細ルート図】

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【梅太郎渕】

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【榧の滝】

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【亀の峡】

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【蓋負い釜】

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【難渋の壺】

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【雨乞いの滝】

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【犬落ちの滝】

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【Nさんからの差し入れです】

おいしく頂きました

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【百間滝(中段の滝)】

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【百間滝(上段と中段)】

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西熊野街道の道普請、ハネオキの滝へ

又、また…又の、"西熊野街道"歩きです。


といっても、

今回の主な目的は西熊野街道の道普請です(part1)。


このところの雨続きで、

道普請に暗雲…と思っていたところ。


二日ほど前の天気予報で、

"雨は降らないらしい"、

むしろ晴れ予想に修正され、

集合場所の小森に着いた頃には、

すっかり夏空になっていました。

しかし、"暑そう~"

梅雨の合間の晴れ間、参加者7名での

西熊野街道の道普請の開始です。

 

久しぶりの山歩きに、足取りは重く…、

まずは湯ノ原覗きを目指します。

…と、

二連橋を過ぎあたりで、倒木が道を塞ぎ、

以前ここを歩いたときに比べ、

心なしか道の崩壊が進みつつある?…

"嫌~な"予感!!


すぐに「自然崩壊」という現実に直面!!。

なかなか、

思っていたようには前に進みません。

しかし、倒木除去と斜めになった道の

整地に、皆さんモクモクと汗を流しました。

(ヒルにも負けず!!)

久しぶりの人間に、

この時とばかりにヒルも活発でした。


Wさんのチェンソーの活躍もあり、

その後、道は見間違えるように変貌しました。

ビフォーの写真が無いのが残念ですが…。

(アフターの写真のみ掲載しておきます。

今回、写真は撮れていません)

 

さて、当初の今日の予定は、中原谷の

渡渉付近までと決めていましたが…、

時間に余裕もあり、

比較的、流れの緩い場所を狙い、

中原谷を渡渉!!。


すると、1世紀近く前に活躍していた

であろう古道が姿を現しました。

かつて立派に造られていたことが、

容易に想像できる規模です。

そして足元には、中原谷の見事なゴルジュ帯、

当時の人々は、どのようにして、

このような立派な道を造り得たのだろうか。

如何に人海戦術とはいえ、

今更ながら感心させられます。

 

そして以前、山崎から小森を目指して歩いた時に、

引き返したと思われる地点あたりまで来て、

ようやく山崎・小森間の西熊野街道を繋げる

ことが出来ました。

また思いのほかの美瀑、ハネオキの滝との

対面は大きな収穫でした。

【位置図】

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【行動図】

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【明治期の西熊野街道図】

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【道普請後の】

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【中原谷の渡渉付近】

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倒木沿いに対岸へ

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【ハネオキの滝】

Mさんの写真を借りました。

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百間山渓谷の百間滝を目指して!!

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梅雨のすき間を狙って、

百間山渓谷に行ってきました。

さて、百間山渓谷に冠されている「百間」は、

百間滝?…

と思われますが…、

百間滝についての写真がどこにも見あたりません。

もちろん、ネットにも引っかかりません。


実は、私自身、かなり昔、

この滝に立ち寄ったことはありましたが、

いざ、説明を求められても…、

確かな記憶がありません。


確か、"幅広で、すぐ目の前に滝?"が…

と記憶していますが、

さてさて…それ以上のことは思い浮かびません。


とは言いながら、百間山渓谷の百間滝だけに、

何とも寂しい限り…。

ということで、

いざ、百間滝を目指して、百間山渓谷へ。

 

ちなみに『紀伊風土記』の「雨乞瀧」の項

には、

百間滝について、次のように記載されています。


「村の良二十余町にあり、

伊屋谷川の流、

懸りて瀧をなす。

高さ五間許。

瀧の上流下流に深淵多く

其中に釜といふ淵、

殊に魄(たましい)を奪ふ。

又是瀧より、

一里許(ほど)上流に

百間瀧あり、

高さ五十間許(ばかり)、

大雨の後は壮観なり

平常は水なしといふ」


ということは、


高さ9メートルの雨乞の滝と比較し、

百間滝の高さは、約90メートルほどに

なります。

いやいや…、この記述が正しければ、

相当、大きな滝ということです。

もちろん百間山渓谷の百間滝

ということでも納得はいきます…、

しかし、"平常は水なし"の

表現も…気になるところです。

何とも神秘的な滝と言えそうです。

と言うわけで、やってきました…、

しかししかしです。


水が多すぎても…、

と言ったところでしょう。

犬落ちの滝を目の前に、

あっけなくリタイヤ。

谷が増水し、残念ながら、

対岸へ渡れそうになく、

結果、百間滝へは到達できず、

またまた、宿題を作ってしまいました。


今日の百間山渓谷は、

いつもの穏やかな雰囲気の百間山渓谷

という感はありません。

谷の水はゴーゴーと流れ、

苔むした緑は、一層、幻想的に!!。

誰も寄せ付けることのできない空間、

まさにトトロの世界といったところでしょうか。

その分、暑さも押さえられ、

爽やかな谷歩きとなりました。

とはいえ、百間滝が、

さらに遠く感じてしまいました。

百間滝到達は、

次回の楽しみにしたいと思います。

 

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【歩行ルート】

犬落ちの滝手前で、徒渉出来ず、

ここでリタイヤ!!

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【梅太郎渕】

百間佐渓渓谷の入口ですが…。

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ここから先へは行けません。

右手の遊歩道入口の階段には、大量の水が…。

ということで、迂回。

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【雨乞いの滝】

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【地蔵滝】

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【夫婦滝(右)】

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【夫婦滝・猿渡り】

f:id:hikojima:20200703100540j:plain【三十三尋の壷】

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【五月雨の滝】

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久しぶりの"玉川峡" "丹生の滝"と"五光の滝"へ

久しぶりの写真撮影の滝巡りに行ってきました。

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夏が近づくと、

水が恋しく感じるようになります。

行き先は、このところ、ご無沙汰していた

「玉川峡」です。

玉川峡の二大滝…といえば、やはり

「丹生の滝」「五光の滝」ということで、

まずは「丹生の滝」へ。

水量はまずまず、

そして、何よりもピーカンではなく、

雨降りでもなく、

いわゆる花曇り…、

滝撮影には、うってつけ

(滝によって違います…あくまでも私感です)、

もちろん、それを見越してです。


和歌山県の地誌『紀伊風土記

紀伊国名所図絵』のいずれにも

「丹生の滝」「五光の滝」の

記載がないのは寂しいところですが…。

九度山町史』には「丹生の滝」について、

次のように掲載されています。


「青淵、丹生川の支流にある。

高さ25m、幅3m、常水のときは水の幅1m、

丹生明神にゆかりある幽すい境で、

むかしは雨乞いの祈願をしたり、

滝にうたれて水ごりの行をするものも

あったと伝えられる」…と。

また、刀祢左近四郎の著書『玉川由来記』

の玉川四十八石には、

それぞれの滝が紹介されています。

以下に抜粋します。


丹生の滝 

丹生川村彦谷との域に有、

高さ十三間半(約24m)、銚子口二尺(約60cm)、

大水の時は滝の幅十間(約18m)、

青袋の滝とも云う」


五光の滝(宿り滝) 

宿り領に有、滝谷尻に有、

高さ七丈五尺五寸(約23m)、坪二間に三間」

 

丹生の滝の大水時には、幅18メートルに?。

昔は、相当な水量だったのでしょうね。


現在、五光の滝と呼ばれている滝は、

かつては宿り滝という名称だったようです。

虹がかかる滝ということで、

五光(御光)の滝という名称に

変化したのでしょうね。

 

二滝を訪滝後、気になっていた

「鰻の背登り滝」にも立ち寄り…。

しかし、準備のないままの訪滝に、

滝を特定することができず…。


帰ってから、ネット検索してみましたが…、

やはり特定には至らず…。

ということで、

ならば、

「玉川峡を守る会」のM氏に聞くのが…

確実だろうということで、

質問メールに早々の返信メールを頂きました。

ありがとうございます。


M氏の話では、昭和30年代あたりまで、

この辺りでは、たくさんのウナギがとれ、

滝近くの岩付近からは、

ウナギの上がってくるのがよく見えたそうです。

なるほど…なるほど…、それで、"鰻!!"


二滝の写真撮影はもちろんですが、

鰻の背登り滝の特定、

そして気になっていた"鰻"というワードの

解明も出来ました。


やはり、夏は、滝めぐりが一番ですね。

まさにマイナスイオンたっぷり、

暑さを忘れさせてくれます。

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【丹生の滝】

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【御手洗の滝】

f:id:hikojima:20200628112128j:plain【五光(御光)の滝】

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【五光(御光)の滝】

折角なので…

2016.8.31撮影時の写真を掲載しておきます。

この時には、名前通り、虹が出ていました

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【鰻の背登り滝】

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梅雨の合間、心見茶屋跡から四寸岩山へ

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桜の時期、吉野山の近くを通ることを

ためらいますが、

今日は、いっきに高度を稼ぎ、吉野山を抜け、

吉野大峰林道沿いの四寸岩山登山口へ。

標高840メートル、気温20度。

梅雨特有のジメジメ感は、まったくありません。

この時期での林道は、ありがたいですね。


さて今日のコースは、登山口から大峰奥駆道を

四寸岩山まで登り、帰路、足摺茶屋跡から

山腹道(奥駆道・新道)を通り、登山口まで

戻ってくる予定、

友人N氏との久しぶり山行きです。

 

植林の中の稜線道をいっきに登って、

守屋茶屋跡へ。

この付近については

近畿地方歴史の道調査報告書』に、

詳細な記述があり、少し紹介しておきます。


林業用モノレールに沿って植林の中の

急な山道、試み坂を登ると約四〇〇mで

平地になった試み(心見茶屋跡)に着く。

さらにまた約四〇〇m登り、

小ピークを越した所が守屋茶屋跡で、

近世には青篠、中古場とともに槙尾村

黒滝村槙尾)が茶屋を出していた」…と。


やや緩やかな道が続いたのち、四寸岩山山頂に到着。

気温22度、爽やかな涼風と眺望…

そして暖かいコーヒーを頂きながらのひとときに

…満足・満足です。


帰路、まずは足摺茶屋跡へ。

小屋横の苔むした奇岩が足摺石だろうか?。

役の行者の母が登拝を拒まれ、

足摺して残念がったところともいわれていますが…。


一方、博物学者、源伴存著の地誌

『和州吉野郡群山記』には、

次のような記述もあります。


「足摺石あり。その岩間、一尺ばかり。

凹なる石を通る。諸人往来して、

足にてすればくぼみたり

(この辺の石、石灰石なり)」…と。

 

四寸岩山について、

近畿地方歴史の道調査報告書』には、

山頂近くの四寸岩が山名の由来と

記されていますが…、

『和州吉野郡群山記』においては、

足摺石と四寸岩が同一であるかのような

記述にもなっています。


諸説有り…ということなのでしょうね??!!。


さて、私たちは、これより、

大峰奥駆道の新道を通り、登山口まで、

戻ります。


新道は、四寸岩山・大天井ヶ岳山頂を通る

大峰奥駆道が、あまりにも険路であるという

理由から、明治末から大正初年、

四寸岩山の西側に造られた山腹道のことです。

新道には新茶屋・五十丁茶屋が営業していた

ようです。

しかしながら、今では、

こちら(新道)が険路の道?では…、

といった錯覚さえ覚えてしまいそうです。

ともあれ、梅雨の合間とは思えない、

爽やかな一日の山歩きを楽しむことができました。

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GPS軌跡】 

f:id:hikojima:20200617112422j:plain【心見(試み)茶屋付近図】 

心見茶屋跡の位置が気になります。

現地の看板は、登山口から天井越えの道に入って、

しばらく登ったところになっています。

しかし、ヤマレコ、『山と高原地図』等には、

林道沿いの位置に記載されています。正解は?

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【天井越え(四寸岩山)の入口】

f:id:hikojima:20200617112446j:plain【心見(試み)茶屋跡】

f:id:hikojima:20200617112453j:plain【心見(試み)茶屋跡】

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【こあじさい(小紫陽花)咲く道】 

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【守屋茶屋跡】

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【四寸岩?】

近畿地方歴史の道調査報告書』に「四寸岩があり、問が四寸ほどの岩問を道が通るのでこの山名がある…」とある石だろうか。

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【四寸岩山からの眺望】

稲村ヶ岳・大日岳・小天井ヶ岳を望む

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【四寸岩山からの下り】

気持ちの良いブナ林

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【足摺石】

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【足摺茶屋跡と現在の小屋】

平成12年に新築された足摺小屋と足摺石

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【新道】

こんなにきれいな道は、ごく僅かです

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【コースタイム】
(9:05)四寸岩山登山口P(9:20)~(9:40)心見茶屋跡~(10:20)守屋茶屋跡(10:25)~(11:00)四寸岩山(11:50)~(12:15)足摺茶屋跡(12:20)~(13:15)新茶屋跡(13:20)~(13:45)五十丁茶屋跡~(14:10)四寸岩山登山口P

 

みどりの尾根、シロヤシオも終盤!!

新型コロナの影響で、県跨りの自粛から、

ようやく実現した大台ヶ原です。

といっても、東大台・西大台のコースではなく、

11年ぶりの「みどりの尾根」です。

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「昼過ぎから雨…」の天気予想。

大台ヶ原駐車場が、近づくに連れて雲行きが

怪し~く~なってきました。

駐車場の埋まり具合は、6割程度だろうか。

 

青空に恵まれないのが、少し残念ですが、

6月という時期のスタート地点での

気温19度は、ありがたい限りです。

まずは日出ヶ岳山頂を目指します。

野鳥撮影でしょうか?。

大きなレンズを持ったカメラマンが目立ちます!!。

鳥の鳴き声が何の鳥かは?

まったく分からない私です。

 

さて、日出ヶ岳に登ったのち、シャクナゲ坂へ。

シャクナゲの花は、すでに終わっているようですが、

ときおり、シロヤシオの花が目にとまります。


シャクナゲ坂の途中から、

やや踏み跡の薄いトラバース道に入ったのち、

尾根のコルを経てテンネンコウシ高へ。

コルから往復30分。

コルから反対側の尾根をいっきに登って裕嵓へ。

正面に、日出ヶ岳、正木嶺、地池高をはじめ、

180度の眺望が開けています。


この辺りの山には、「○○高」という山名が、

多いようです。

「西谷高」「沖見高」「七ツ釜高」などなど…。


展望は申し分ないのですが、

ここからミネコシ谷へのトラバース道に

小さな崩壊地があり、

当然、道も怪しくなってきます…。

一旦ミネコシ谷に下ったのち、

シャクナゲの群生を避けながら、ようやく、

目的のみどりの尾根へ。


本コースは以前、記憶の中では難なく

歩けたように思っていたのですが、

歳を重ねたのでしょうね、

今回、思いのほか、

道が荒れていたようにも(崩壊地)…感じました。


しかし、絨毯を敷き詰めたようなミヤコザサの笹原、

バイケイソウの緑、カエデの新緑…、

上も下もグリーン!の世界に感動しきりです。

ここには、かつての大台ヶ原を彷彿とさせる風景が

広がっています。

ポツリポツリ…雨が…、でしたが、本降りに至らず、

心ゆくまで、みどりの絨毯歩きを満喫しました。

 

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[GPS軌跡]

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 [シャクナゲ坂途中の大木]

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f:id:hikojima:20200607210214j:plain [シャクナゲ坂の道]

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 [シロヤシオの花がポツリポツリ…と]

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 [シャクナゲ坂の鎖]

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 [この道標の後ろからテンネンコウシ高へ]

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 [裕嵓から日出ヶ岳(右)・正木嶺(左)を望む]

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 [裕嵓のトラバース]

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 [ミネコシ谷の徒渉点]

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 [ギンリョウソウ]

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 [正木嶺への登り]

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 [尾鷲辻へ]

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【コースタイム】
大台ヶ原駐車場(8:40)~(9:35)日出ヶ岳(9:40)~(10:55)シャクナゲ坂分岐~(11:25)テンネンコウシ高~(11:50)裕嵓[昼食](12:20)~(12:45)ミネコシ谷~(13:20)みどりの尾根~(14:40)日岳ヶ岳(14:45)~(15:10)正木嶺~(15:45)尾鷲辻~(16:25)駐車場