那知合道、そして小森道へ

「西熊野街道再生プロジェクト」の

企画で、十津川村へ。

今回は、先月歩いた小森から今西集落に至る

古道探索の後半戦です。

『十津川郷村誌』の「今西村」の項に、

村ノ東方ニ登リ 屈曲南下シ那知合ニ達ス

とある那知合道の探索が本日の目的です。

新川津大橋から川津今西林道を車で

いっきに登って今西側の那知合道の古道入口へ。

今日は、ここから行仙岳の山腹をトラバース、

那知合分岐(仮称)を経て

那知合集落に下る予定です。

古道入口は等高線が示すように、

かなりの急斜面です。

とはいえ、アップダウンがなく、

まずまず順調な歩きだしです。

しかし三阪川を回り込もうとしたところで、

土砂崩れに遭遇!

当然古道は崩落しており、

上に…下にと…、

突破を試みようとしたものの…、

残念ながら、これ以上の前進は、

危険と判断し、一路Uターン。

古道入口に戻った頃には、

すでに時計の針は、12時をまわっていました。

まずは腹ごしらえです。

さてさて、これからの探索をどうすべきか? 

話し合いの結果、

少し早く帰宅したいという一隊は、

このまま今西集落をかけ下って那知合集落へ、

そして、もう一隊の私たちは

行仙岳を目指すことに!

二隊に分かれて行動することに!

ふたたび車に乗り込み、

行仙岳登山口近くまで移動し、

後半戦をスタート。

林道によって寸断された古道を少し登り、

分かれ辻へ。

実は、那知合道の探索前に、

この場所はチェックしており、

本日再度の到着です。

分かれ辻には、

「左たまき山 右いまにし道」と

記された道標地蔵が祀られています。

道標地蔵の存在が

ここがかつての古道であったことを

証明しています。

旅の安全を祈願して祀られたのだろうと

思いますが、十津川村では、

数少ない道標地蔵のひとつです。

大切に見守っていきたいと思います。

ちなみに、『十津川郷村誌』の

「今西村」の項には

本村リ東北ニ登ルコト十九町、

則行善嶺(行仙岳)ニ至リ 

東ニ下スルコト 十八町ヲ経テ、

小森村新道ニ達ス、

此路険峻ニシテ通人甚タ汗ス、()

と記載された小森道ということになります。

ところどころ狭くなったところもありましたが、

幅広で、はっきりとして踏み跡があり、

古道を彷彿とさせます。

1時間ほどで行仙岳山頂へ。

気持ちの良い登山ルートで、

もっと多くの人に

利用していただきたいものです。

下界ではこの日も暑い日でしたが、

快適な山歩きを楽しむことができました。

みなさん、お疲れさまでした。

川津・今西林道の展望所から行仙岳、遠くに玉置山を望む

位置図

GPS軌跡

行動図

今西側の那知合道の古道入口

三阪川手前の崩壊地

林道の小森道入口付近

道標地蔵尊

小森道から大峰主稜線を望む

行仙岳への古道

行仙岳への古道

行仙岳山頂(展望なし)

行仙岳からの帰路

【コースタイム】

新川津大橋[](10:45)今西側古道入口(10:50)(11:45)崩壊地(11:55)(12:15)古道入口[](12:40)(12:56)行仙岳登山口(13:00)(13:05)道標地蔵尊(14:10)行仙岳(14:45)(15:30)行仙岳登山口