梅雨の合間、心見茶屋跡から四寸岩山へ

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桜の時期、吉野山の近くを通ることを

ためらいますが、

今日は、いっきに高度を稼ぎ、吉野山を抜け、

吉野大峰林道沿いの四寸岩山登山口へ。

標高840メートル、気温20度。

梅雨特有のジメジメ感は、まったくありません。

この時期での林道は、ありがたいですね。


さて今日のコースは、登山口から大峰奥駆道を

四寸岩山まで登り、帰路、足摺茶屋跡から

山腹道(奥駆道・新道)を通り、登山口まで

戻ってくる予定、

友人N氏との久しぶり山行きです。

 

植林の中の稜線道をいっきに登って、

守屋茶屋跡へ。

この付近については

近畿地方歴史の道調査報告書』に、

詳細な記述があり、少し紹介しておきます。


林業用モノレールに沿って植林の中の

急な山道、試み坂を登ると約四〇〇mで

平地になった試み(心見茶屋跡)に着く。

さらにまた約四〇〇m登り、

小ピークを越した所が守屋茶屋跡で、

近世には青篠、中古場とともに槙尾村

黒滝村槙尾)が茶屋を出していた」…と。


やや緩やかな道が続いたのち、四寸岩山山頂に到着。

気温22度、爽やかな涼風と眺望…

そして暖かいコーヒーを頂きながらのひとときに

…満足・満足です。


帰路、まずは足摺茶屋跡へ。

小屋横の苔むした奇岩が足摺石だろうか?。

役の行者の母が登拝を拒まれ、

足摺して残念がったところともいわれていますが…。


一方、博物学者、源伴存著の地誌

『和州吉野郡群山記』には、

次のような記述もあります。


「足摺石あり。その岩間、一尺ばかり。

凹なる石を通る。諸人往来して、

足にてすればくぼみたり

(この辺の石、石灰石なり)」…と。

 

四寸岩山について、

近畿地方歴史の道調査報告書』には、

山頂近くの四寸岩が山名の由来と

記されていますが…、

『和州吉野郡群山記』においては、

足摺石と四寸岩が同一であるかのような

記述にもなっています。


諸説有り…ということなのでしょうね??!!。


さて、私たちは、これより、

大峰奥駆道の新道を通り、登山口まで、

戻ります。


新道は、四寸岩山・大天井ヶ岳山頂を通る

大峰奥駆道が、あまりにも険路であるという

理由から、明治末から大正初年、

四寸岩山の西側に造られた山腹道のことです。

新道には新茶屋・五十丁茶屋が営業していた

ようです。

しかしながら、今では、

こちら(新道)が険路の道?では…、

といった錯覚さえ覚えてしまいそうです。

ともあれ、梅雨の合間とは思えない、

爽やかな一日の山歩きを楽しむことができました。

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GPS軌跡】 

f:id:hikojima:20200617112422j:plain【心見(試み)茶屋付近図】 

心見茶屋跡の位置が気になります。

現地の看板は、登山口から天井越えの道に入って、

しばらく登ったところになっています。

しかし、ヤマレコ、『山と高原地図』等には、

林道沿いの位置に記載されています。正解は?

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【天井越え(四寸岩山)の入口】

f:id:hikojima:20200617112446j:plain【心見(試み)茶屋跡】

f:id:hikojima:20200617112453j:plain【心見(試み)茶屋跡】

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【こあじさい(小紫陽花)咲く道】 

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【守屋茶屋跡】

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【四寸岩?】

近畿地方歴史の道調査報告書』に「四寸岩があり、問が四寸ほどの岩問を道が通るのでこの山名がある…」とある石だろうか。

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【四寸岩山からの眺望】

稲村ヶ岳・大日岳・小天井ヶ岳を望む

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【四寸岩山からの下り】

気持ちの良いブナ林

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【足摺石】

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【足摺茶屋跡と現在の小屋】

平成12年に新築された足摺小屋と足摺石

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【新道】

こんなにきれいな道は、ごく僅かです

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【コースタイム】
(9:05)四寸岩山登山口P(9:20)~(9:40)心見茶屋跡~(10:20)守屋茶屋跡(10:25)~(11:00)四寸岩山(11:50)~(12:15)足摺茶屋跡(12:20)~(13:15)新茶屋跡(13:20)~(13:45)五十丁茶屋跡~(14:10)四寸岩山登山口P