富貴筒香古道の上筒香峠を越えて

富貴筒香古道を歩いてきました。

高野山富貴は富貴ブランドで知られた

"マッタケ"の産地と言うわけで、

秋の時期には、入山できそうにないため、

「山に登るには、今の時期が最適かな」…。

[3D-GPS軌跡]

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富貴は弘法大師空海が、

"修行の場にしようか"と迷った、

とされるところです。

標高600メートル、周囲を山に

囲まれた天空の集落です。

高野山の標高より、約200メートルほど

低いものの、高野山と良く似通った地形

をしており、そうした伝承が生まれたの

も頷けます。

宗教都市・高野山にほど近く、

十津川村野迫川村、熊野方面への道が

交差するため、交通の要路としても栄え

たようです。


江戸時代の筒香荘絵図には、富貴荘との

関わりを示す谷・山・峠・古道等が、

詳細に描かれています。

[筒香荘絵図]

上部に七霞山から延びた、別当ケタワ・

龍王岳・上筒香峠、その向かうが富貴荘。

中央部に丹生川、真下には、

高野山発見の道」の山系が描かれています。

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今日は、

その中のひとつ「富貴筒香古道」を

歩いてきました。


生活福祉センターの駐車場に車を

停めさせていただき、富貴筒香古道へ。

峠に向かって、いかにも古くから使われ

ていたことを思わせる、よく踏み固めら

れた古道が延びています。

古道入口から高度として約200メートルほど、

50分足らずで、

筒香峠(中筒香の方から峠名について教えて

頂きました)に到着しました。

ここから緩やかに下って、中筒香へ。

小さな倒木があったものの、

快適な古道歩きです。

帰りは、龍王岳東尾根の筒香峠を越えて、

富貴まで戻ってきました。こちらの峠路は、

やや荒れていたようにも感じました。


現在は、富貴と筒香間に車道が開通し、

往来が容易になり、古道としての役目を

終えたと言う感もありますが、先人たちが

培ってきた歴史の道を、

いつまでも残してほしいものです。

[富貴から龍王岳を望む]

右手の山が龍王

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[GPS軌跡]

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[富貴の丹生神社]

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[富貴筒香古道入口]--左上に入る

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[古道]

入口付近はコンクリートが張られている

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[龍王岳分岐]

右上が龍王岳の道。

真新しい道標が設置されていました

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[上筒香峠]

右上が龍王岳。ここにも道標が…

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[下筒香峠付近からの眺望]

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[古道]

部分的に倒木もありましたが、

歩くには、支障なし

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[山の神]

末広稲荷大神と山神大明神

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[中筒香を望む]

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[古文書]

筒香村の方から見せていただいた古文書

何とか…覚と記されています…

読み取ってほしいですね!!

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[筒香・丹生神社]

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[筒香峠]

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[成金バス停]

バス停に「ここで写真を撮ると成金になれる」という看板。
成金になれる(?)とは思えないが、せっかくなので写真を1枚。できることなら、あやかりたいが…。

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 [名迫明神社]

高野町東富貴に生まれた名迫伊光(なさここれみつ)氏がその昔、享保の大飢饉に見舞われた際に、私財を村のために投じ、村人たちの暮らしを守ったことから、1724年11月24日、村人は一つのお社を建て、「名迫権現」と名付けて伊光氏を祭ったそうです。

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 [コースタイム]
8:50生活福祉センター8:55-9:00丹生神社9:00-9:42上筒香峠9:47-9:55下筒香峠9:55-10:05別当ヶタワ10:10-10:25下筒香峠10:30-11:10延命寺11:40-12:25堂前橋12:30-13:03筒香峠13:10-14:10名迫明神社14:10-14:20丹生神社-14:25生活福祉センター