アマガ滝・ドメキ滝(淵)・阿弥陀滝へ

 

和歌山県九度山町内の滝探索に、M氏と

二人で出かけてきました。

[アマガ滝]

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[ドメキ滝]

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[阿弥陀滝]

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一つ目と二つ目の滝は、

アマガ滝とドメキ滝の探索です。


江戸時代の地誌『紀伊風土記』の"東郷村"の

項には、西郷村と相対し少し北にあり、西郷

は山の半腹にあり、東郷は谷底にあり、

東郷より三尾川に添いて北行すれは、

東より来る小川あり、小川に傍ひて入るを

宝子谷といふ。谷中に努馬気(トメケ)淵といふ

あり、其極りを小名野平といふ。

又村領に蟇(ヒキガエル)瀧天(アマガ)瀧と

いふ瀧あり」

と…滝についての説明がされています。

もちろん、この文言だけでは、場所の特定が

できません。

そこで、もう一つの手がかりとして、

『久保小学校100年誌』に掲載されている

概略地図です。

そこには、「アマガ瀧」と「ドメキ瀧」が

記されおり、この二つの資料を頼りに、

現地探索をすることに!!。

昔、滝壺で泳いだという、

おじさん(滝近くに住んでいる)は、

「アマガ瀧」のことを

「アマノ瀧」と呼んでいるようです。

両岸から岩が狭まり、大きな釜とその先に

三段の滝が落ちていました。

期待以上の素晴らしい滝でした。


次の目的地は、「ドメキ滝(淵)」です。

紀伊風土記』には、

努馬気(トメケ)淵と記された滝です。

地図では「エビ子谷」の少し下流になって

います。ここでも偶然にも農作業で通りかかった

"おじさん"に滝の場所を教えていただきました。

およそ淵とは言えそうにないところに、

二条の滝が懸かっていました。

[久保小学校100年誌(抜粋)]

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[アマガ滝・ドメキ滝位置図]

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三つ目の滝は、阿弥陀滝です。『紀伊風土記

の"東郷村"項には、

「水鳴り山響く瀧あり、阿彌陀瀧といふ 

瀧壺 四面大巌壁立し 懸泉一丈余

見事なり。

昔此淵にて命を損せしものあり…(略)」

と、阿弥陀滝のことが記されています。

こちらはM氏の案内です。

北又川を谷まで下って、轟音と共に滝前へ。

水の流れが二つの大きな釜に渦巻き、

そして上流へと続くナメ。

これほどまでに、素晴らしい滝との出会いは、

何年ぶりだろうか?。

続日本の滝100選といったものがあるとする

ならば、そのひとつに選ばれても、

決しておかしくない滝といったところでしょうか。

後ろ髪を引かれる思いで、その場を後にしました。


ちなみに、阿弥陀滝は、"玉川四十八石"のひとつで、

"編滝"とも呼ばれています。

こちらには、滝について下記の様に

詳しく紹介されています。

「此の滝 三つ続きて 有中の坪広さ 十間四方 

下の坪 五間四方  上の滝一間四方高さ各二間」

確かに見応えがあります。

 

[阿弥陀滝(編滝)位置図]

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[アマガ滝・ドメキ滝・阿弥陀滝]

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[アマガ滝への入口]

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[アマガ滝]

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[ドメキ滝]

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[阿弥陀滝入口]

正面の滝は、支流に懸かる滝。

右手の岩の向こうに阿弥陀滝が懸かる

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[阿弥陀滝]

満々と水を蓄えている。この上にも滝壺が…

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[阿弥陀滝上流から滝壺を望む]

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[追伸]

ドメキ滝の少し上流の山道を5分ほど登って行った先にある、

「エビ子」と言われる田んぼに立ち寄ってみました。

現在も、田んぼが健在でした。

思わず、「隠し田」というのは、このようなところを言うのだろうか…と。

大変だろうが!!  すばらしいところでした。

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