"玉川四十八石"赤子鳴岩・明神岩・喚ヶ滝…探索

[明神岩]

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[喚ヶ滝]

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玉川峡の景勝地"玉川四十八石"が、

刀祢左近四郎の著書『玉川由来記』に

紹介されています。

今回、"玉川四十八石"の

澤滝・喚ヶ滝、赤子鳴岩、そして

"おまけ"…を、探索してきました。

といっても、こんな大仰な探索を私一人では、

どうすることもできないため、

「玉川峡を守る会」のM氏・N氏の両氏に

協力いただきました。


まず、ひとつ目の目的地は、

迎の辻橋を渡ってすぐの澤滝です。

次に向かったのは、柿平の赤子鳴岩、

ちょっと…、その前に、

柿平集落周辺の小祠探索etc。

井筒峠の東、

「善女龍王」「熊野権現」「弁財天」の三小祠、

柿平の地蔵さん」「廃阿弥陀寺」、

「丹生大明神」と「愛宕大権現」。

そして柿平の最後は『紀伊風土記』に、

「若子岩」として紹介されている

「赤子鳴岩」です。

"玉川四十八石"には、

柿平村にあり、高さ十六丈、周り三十間」

とあり、

紀伊風土記』には、

「村の東五町はかり高畑といふところの

大巌なり、直立二十丈許上、突出して

蓋を戴く如し…僻遠にして知る人少きのみ」

と記されています。

そして今日の最終は、"玉川四十八石"の

「明神岩」と「喚ヶ滝」です。

明神岩は、『紀伊国名所図会』に、

「川南第一の奇石なり」と紹介された大岩で、

『名所図絵』としては、

異例と思われるカラー画が

挿入されています。

 

このところ、災害レベルの暑さと

言われますが、ここは別世界です。

谷の涼風と滝のマイナスイオン

いつまでも眺めていたい、

ここから立ち去りたくないという気持ちでした。

[澤滝・赤子鳴岩・明神岩・喚ヶ滝位置図]

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[澤滝位置図]

"玉川四十八石"には「明神滝とも云う。植木谷に有、直下三丈 幅一間 其の滝壺二間四方 深さ二間」と詳細な記載がされています。

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[八葉岩]

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[澤滝]

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[柿平周辺図]

柿平の①の位置に車を置き、①→②→③→④順に近くをウロウロ。

近くで作業している方に道を教えていただいたものの、若干、迷走気味。

①ルートは、道はありません。

②井筒峠から柿平集落へは、良く踏まれた古道が通っている。

しかし、集落から③に入るところが分かりにくい。

③→④は、比較的、広い道が通っているが、若子岩手前の踏み跡が薄くなっている。

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黒の破線は、古道です。

北又から井筒峠を越えて、ここ柿平まで、郵便配達人が通ったと、地元の方が云われていました。井筒峠から柿平までは、はっきりとした古道が残っていました。

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[善女龍王熊野権現・弁財天]

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[柿平の地蔵さん]

隣に廃阿弥陀寺が残っていました

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[丹生大明神・愛宕大権現]

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[小祠を祀る若子岩(赤子鳴岩)]

「若子岩(わかごいわ)」について、『紀伊風土記』には、「村の東五町はかり高畑といふところの大巌なり、直立二十丈許、上突出して蓋を戴く如し、其下百五十間許にして丹生川激流し、奔聲含蓄して響き嬰児(みどりご)の泣くか如し、因りて若子岩と名つく。奇状視聴を驚かすへし地、僻遠にして知る人少きのみ」と記されています。

-追伸-

柿平橋付近から西方に"赤子鳴岩"を眺めることができる?ということで、立ち寄ったが、木が茂っており、肉眼では確認することが出来なかった。

二十丈は、約60㍍ほど。ややオーバーな表現と思われますが、こうした表現は、良くあること!!

百五十間は、約270㍍ほど。丹生川から岩まで、約220㍍ほどだから、こちらも、少しばかりオーバーな表現かも!!  といっても、目測なので、問題ないでしょう。

ちなみに、"玉川四十八石"では、"高さ十六丈、周り三十間"となっています(笑い!!)。

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[オキウラ谷、明神岩と喚ヶ滝]

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[明神岩]

紀伊国名所図絵』には、「明神岩」について、
「鐘割峠にあり。筒香明神影向(ようごう)岩といふ、大盤石2つ重れり。上は樹木繁茂して山の如く、下はやや小にして、盤上に物を置くが如し(盤の上に物が載せてあるような状態である)」と記されています。

下図の『紀伊国名所図絵』の挿入画と見比べてください。

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[『紀伊国名所図絵』に掲載の明神岩]

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[オキウラ谷の道]

この辺りは、そま道が通っているが、

徐々に道が荒れ模様

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[オキウラ谷の6㍍滝]f:id:hikojima:20180804162910j:plain

[喚ヶ滝]

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[イワタバコ]

谷筋で多く見かけました

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