切目川沿いの印南町上洞から
龍神村に越える古道、
「三里ヶ峰越え」を歩いて
きました。
[GPS-3D軌跡]
に越える古道(切目畝[※1])で、
大塔の宮も歩いた道と伝えられてい
ます。
そうした古道の現在の状況を
確かめたくて、
今回、印南町上洞から三里ヶ峰、
僧屋敷跡近くまでを往復してきました。
[GPS-軌跡]
[樹林のすき間から清冷山を望む]
印南町上洞にある店の主人は、
子供の頃の遠足と言えば、三里ヶ峰
越え途中の「蝙蝠岩[※2]」であったと
懐かしそうに話してくれました。
さて、三里ヶ峰越えに入って、
歩き始めは、脈々と受け継がれてきた
であろう古道の息遣いを感じさせてく
れる道が続きます。
しかし、その思いは、すぐに打ち消さ
れてしまいました。
三里ヶ峰の南山腹に入ってからは、
枯れ枝が道を覆っていたり、
小さな山抜けもあり、古道としての
荒れが進んでいるように感じました。
かつて賑わった道とはいえ、使われ
なくなった道の運命のような、現実
の厳しさをまざまざと見せつけられ
たように気がしました。
それでも、今日も一日、楽しく歩い
てきました。
[上洞休場 ここから三里ヶ峰に入る]
「山上に祠あり……(中略)……
村名是より起るといふ」とあり、
上洞の名は蝙蝠岩(コウモリ岩)に
由来しています。
[休場 三里ヶ峰越え]
咲き始めた彼岸花がきれい
[休場 三里ヶ峰越え入口付近]
[金刀比羅宮]
[三里ヶ峰越え古道]
ウバメガシの林を進む
[蝙蝠岩が見えてきました]
[蝙蝠岩]
大きさを実感してください 。
名前の由来は、大塔の宮または
空体上人が籠られた=こもり岩と、
蝙蝠が住んでいたからという
二つの説があります。
国土地理院の地図には「蝙蝠岩」の位置が、
約1キロメートルほど西側に記載
されています。
正しくは、地図記載位置から
1キロメートルほど東側です。
[蝙蝠岩から南部湾を望む]
中央の小さな島影が「鹿島」です
[蝙蝠岩]
中央から見た蝙蝠岩
[『紀伊国名所図会』に描かれた蝙蝠岩]
見比べてください
[蝙蝠岩の中ほどに小さな穴が…]
ここで、大塔の宮が籠られたのだろうか?…
蝙蝠が住んでいるのだろうか?…
中に入れそうですが……
[辻地蔵]
「右かわまた 左かぶらへ」の道標
[僧屋敷跡]
[樹林のすき間から矢筈岳を望む]
[地蔵尊]
「右みなべ川 左さんぢ」の道標 (?)
この道標石像の位置が不自然です。
近くに分岐らしきところがありません
※1.2とも『紀伊国名所図会』より
※1【切目畝】
上洞(かぼら)村より南に登る事五十町許(ばかり)にして、切目畝(きりめうね)の山上に至る。夫より峰通(みねどおり)を東にゆきて、山地荘上福井村(かみふくいむら)に至るを、三里がうね越えとも切目畝越えともいふ。龍神道なり。
※2【かうもり巌】
切目うね通の路傍、怪巌壁立し、二石の間に穴あり、わずかに匍匐(ほふく)して入るべし。穴中の廣さは、平均して畳三十枚を敷くべし。往年上洞の僧、この穴にて入定せしとて、其骨今も残れりとふ。
【コースタイム】
7:50上洞休場08:00-09:00国土地理院の「蝙蝠岩」9:05- 9:30蝙蝠岩09:45-10:15辻地蔵10:25-10:40等三角点10:45-10:55三里ヶ峰-11:25僧屋敷11:25-12:20展望所(昼食)13:00-13:00引き返し-13:25僧屋敷13:30- 14:15辻地蔵-14:30蝙蝠岩14:35-16:00上洞休場