【ノビラコ、遊女の滝から高野古道を歩く】

友人3人で、玉川峡の上流、

「遊女の滝から高野古道」を

歩いてきました。

 

県立公園「玉川峡」丹生川の上流に、

高野町の「筒香」という集落があり

ます。

[GPS軌跡]

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筒香には、天照大神の妹にあたる

丹生都比売神が天下ったという

伝承が伝わっています。

今から千三百年近くも前に書かれ

た「播磨風土記」(兵庫県の姫路

地方のようすをしるした本)の中

に、「……(丹生都比売神は)…

紀伊の国管川藤代の峰に鎮まり

奉り…」とあり、

また江戸時代の地誌『紀伊風土記

(※1)には、「伊都郡丹生の川上にある

筒川藤代峰にお立ちになった」とも

記されています。

管川は、現在の「筒香」です。

何とも、意味の深い内容です。


ということで、今回、高野町地元の

方の話をまとめた

高野町の昔ばなし(※2)」の丹生都比売神

が顔を洗ったとされる「遊女の滝」

(または藤代の滝・優女の滝)の懸かる

ノビラコから高野山発見の道、高野

古道を歩いてきました。

[遊女の滝]

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[GPS-3D軌跡]

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ここ「遊女の滝」不動尊では年1回の

「野平子祭り」が、今年も10月28日

に行われようです。

 

※2「高野町の昔ばなし」を要約すると、

次のような内容のことが書かれてい

ます。


【丹生川支流ソンボ谷を3キロメー

トルほど遡ったところに「ノビラコ」

という盆地があります。

ノビラコは、大昔、筒香村のあった

ところで、その少し手前に、不動尊

が祀られ、遊女の滝4メートルが懸か

っています】

 

[上・丹生神社]

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[ホトトギス]

林道脇で見かける

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[ノビラコ谷に懸かる滝]

4メートルほどの滝

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[遊女の滝]

優女の滝・藤代の滝とも。 

丹生都比売神が、この滝の水で顔を洗ったと伝えられている

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[遊女の滝の上部の岩場に祀られている不動明王の祠]

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ノビラコから今井道をに入って

(今井道に入る手前に小さな山抜けを通過)、

高野山発見の道へ。

 

[何だか分かります?]

ナナフジ

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[スナダラリ峠]

高野山発見の道から外れて、右手の山道を下ります

ここから高野谷への道は、良く踏まれているが、

谷との出合付近の道が、少し荒れている。

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[高野谷の高野古道]

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[みそ石(禊石)]

弘法大師が箸でつまんで投げた石

が大きくなって、

ここに落ちたと伝えられています。

 

玉川峡の名所を記した

『玉川四十八石』のひとつ

「大原石(禊石)」です。

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[下・中の丹生神社]

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[コースタイム]
旧筒香小学校09:55-10:55出屋敷辻-11:45遊女の滝12:05-12:10ノビラコ12:40-13:30今井道出合-14:05今井峠14:15-14:25紀和トンネル上部-14:40高塚14:45-14:55スナダラリ峠-15:45高野古道入口14:50-16:35旧筒香小学校

 

 

(※1他)『紀伊風土記』筒香荘より

上筒香東富貴和州坂本村三村の界にて高峰なり、水呑峠また石堂峰また子粒嶽ともいふ。上筒香より川上東へ登り三十町その中間に御神岩といふ、又里老伝えて、天照大神あらわれ給う地なりといふ。また御神岩の上にフクリトリといふ滝あり、高さ十間ばかり、里老伝へて狩場明神の臘し給ふ所なりといふ。按ずるに天照大神は丹生明神の訛傳にして、この山は即『播磨風土記』に所謂、管川藤白峰にして、神功皇后の御時丹生都比売神始めて鎮まりましし地なり、里老古書の事は知らされとも藤白の嶽といいまた、天照大神の現れたまう地、狩場明神の事などいう。みな古き伝えの展伝して訛れるなるへし。播磨風土記の全文及び丹生明神の事詳に天野荘丹生神社の条に弁せり。
今按するに丹生祝文に丹生津比咩大御神の蹕を駐め給う地に藤白峰という名なし。第二の宮居の地を挙げて川上水方の峯に上座国加々志給ひとある。水方峯その他詳ならす。意うに水方は水呑の転写にてこの峯の事ならん

紀伊国名所図会』
藤代の峰
藤白峰和州堺にあり、水呑峠ともいふ。橋本邊より熊野への往還なり。
是即『播磨風土記』に見えたる筒川藤代の峰なり。